Evidenceの学校

根拠(エビデンス)に基づく教育(Evidence-based Education)の発展を目指して!

こうして子供たちもやる気を出す。科学的に正しい目標設定の方法。

 皆さんはどのように目標を決めていますか?

 

なんとなくこれができるとかっこいいから?

 

みんなこれやってるしそろそろ自分もやろうかな…と考えているから?

 

それではうまくいきません。それはなぜか。そしてどうすれば目標を達成できるのか、ハイディ・グラント・ハルバ―ソン先生の「やってのける」をもとに学んでいきましょう。

 

前回の続きになりますので、過去の記事を読んでいない方はこちらを… 

academykun.hatenadiary.com

 

 

目的地は定まっているか?

 

どうするれば目標と達成できるのか、最初は目的地を設定することとハルバ―ソン先生は言っています。

 

いやそんな当たり前だろ…

 

とお思いになったと思いますが、重要なのは目標をどう設定するかのです。

 

どうやって目標を設定するのか?

 

では、どのように目標を設定するのか。

 

この本では「ベストを尽くせ」と言われても、これでは明確な目標が定められていなため、ベストからほど遠い結果しか生み出してはくれないと述べられています。

 

一方、「具体的で難易度が高い目標」は高いパフォーマンスを生み出すことが分かっています。

 

具体的」な目標は、何か求められているかが正確にわかるため、ごまかすことやこれで十分という言い訳が出来なくなります。

 

また、「難易度が高い」ということは、「難しいが可能」といレベルの課題を指してます。みなさんにはおなじみのミハイ・チクセントミハイもフロー状態になるには決して難しすぎず、やさしすぎない課題が適当であることを述べています。

 

また、ハルバ―ソン先生はこう述べています。

難しい目標の達成は大きな充実感、満足感をもたらし、その満足感がさらなる向上につながる。

 

このことから、子供たちにここからここまでの問題を何分までに解いてみようという指示は(問題の質、数、時間により異なりますがそこは先生方や保護者の腕の見せ所です)、子供たちの学習を高めている可能性は大いにありそうですね。

 

まとめると、ごまかさずに物事に取り組み、達成感によりさらなる向上に結び付く「具体的で難易度の高い目標」を考えることが大切です。

 

やる気を出す方法

この本では、「なぜ?」と考えることで小さな行動に大きないいや目的を結び付けられ、意欲を高められることが述べられています。

 

私は学生の頃よく「対数とか習ってもどこで使うんだよ…(数学は全く嫌いじゃありませんが)」と思っていました。

 

しかし、後に、高校の先生が「対数は地震の規模を示すマグニチュードに使われている。マグニチュードが1変わると約32倍エネルギーが違うことになる。」と知り、意味ないことはないと学びました。

 

つまり、「なぜ」を考えること、「なぜ」をでやる気を刺激することが可能なのです。

 

もうお分かりですよね?子供たちに勉強をやってほしい時には,

 「~の問題を解きなさい。」や「~を暗記しなさい」ではなく、

 「この勉強は~に役に立っているんだよ。これを知ることでこんなことができるんだよ。だから一緒に学んでみよう。」と子供たちに声をかけることが重要になってくるんですね。

 

難しいことに取り組む方法は?

 

難しいことに取り組みたい、取り組んでほしい時には「なぜ」ではなく「なに」を考えることが効果的です。

 

「なに」を考えることで具体的な行動に意識が集まるためと述べられています。

 

また、最も効果的なのは物事を細分化することです。

 

例えば、「掛け算の問題を解く」とした場合、

  1. まずは椅子に座る。
  2. ランドセルから教科書をつかむ
  3. 教科書を机に置く
  4. ランドセルからノートをつかむ
  5. ノートを机の上に置く
  6. 筆箱を手に取る
  7. 筆箱を机に置く
  8. 筆箱をあける
  9. 筆箱から鉛筆を取り出す…

このように細分化(紙に書いておきできたものを消していくと達成感がより生まれる)していくことで、取り組みやすくなります。

 

つまり、「なに」を考えることで行動を考えるため物事に取り組みやすくなり、先延ばしもしにくくなるということです。

 

効果的に目標達成することが可能な長短比較

 

私たちは目標だけ考える(つまり、理想の自分を考える)とそれだけで気分がよくなります。

 

しかし、それでは決して行動しません。

 

それをふせぐために、長短比較という方法が有効だと心理学者のガブリエル・エッティンゲンは述べています。

 

長短比較とはこう述べられています。

まず達成によって得られるものを想像し、次に進路を阻む障害物を熟考する」という思考である。

 

こうすることで、達成を阻む障壁の対応策を考えることができるだけでなく、その目標が達成可能かどうか考えることができるようになります。

 

目標達成が難しいと考えた場合は目標を修正すればいいのです。落ち込む必要はありません。

 

このように、どのように目標を設定すればよいのか、どうすれば難しいことに挑戦できるのかお分かりになったと思います。

 

次は、なぜその目標を目指したのか。自分について知っていきましょう。

 

前回に続いて参考の本とオススメ本(これらは私の人生を大きく変えてくれました)を示しておきます。

 

これからもエビデンスを基にした情報を提供していきますので

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では…