Evidenceの学校

根拠(エビデンス)に基づく教育(Evidence-based Education)の発展を目指して!

実はよく○○したほうが良い!

人生において成功するためには、神は人にふたつの手段を与えた。
教育と○○である。
これは古代ギリシャの哲学者であるプラトンが残した言葉です。
この○○とは運動です。

今年はCOVID-19の影響で学校現場だけでなくご家庭でも大変だと思います。
しかし、そんな状況であっても運動は欠かさずに行ったほうがよいことが研究により示されています。

カリフォルニア州教育局(CDE)は、100万人以上の生徒の学力検査の得点(日本でいう全国学力調査のようなもの)とフィットネスグラム(日本でいう新体力テスト)の得点が相関することを示しています。

しかし、皆さん(特に先生方)は、いや運動をよくする子は社会的経済的な要因も影響しているのではとお思いになったと思います。
その通り、生活水準の高い生徒は学力テストの点数が高くなっていました。しかし、低所得者だけでみると、健康な生徒の方がそうでない生徒よりも成績が高くなっていました。
このことは、家計の状況に関わらず、健康になることで子供はよい成績が取れるということを示唆しています(結局は食事、睡眠、運動となってきますが。。。セーフティーネットの役割も大切ということになりますね)

また、2004年に、学齢期の児童に運動が与える影響に関する850以上の論文を再検討(review)した結果、運動が学業成績だけでなく、記憶力、集中力、学習態度にまで良い影響があることが報告されています。

2018年に行われた二―ジーランドの6~11歳の子供たちを対象とした研究では、運動が認知機能を上げ、その結果、学業成績が上がっているのではないかという仮説が示されています。

もちろん紹介している研究結果はすべて海外のものなので、日本人の子供たちにも同様の結果が得られるものかはわかりません。また、家計の状況など多くのファクターが結果に影響していることが考えられますが、統計的に補正してもなお、学業成績と関連することを報告しているものもありますので、運動をしない手はないのではと思います。

さらにプラトンは上記の言葉に加えて

前者(教育)によって魂を鍛え、後者によって体を鍛えよ、ということではない。その両方で、魂と体の両方を鍛えよ、というのが神の教えだ。

と述べています。
現在は緊急事態宣言が全国で宣言されておりますが、ジョギングやウォーキングなどはできますので感染対策をしてお子さんと運動してみてはいかがでしょうか。また、体育の授業数は減らされていますが(現場以上に教育委員会などにエビデンスが分かる人が必要だと思いますが、、、)学校現場においても引き続き休み時間などに運動を促すことがとても重要だと思います。 

また、より運動について知りたいという方はジョン・J・レイティの「脳を鍛えるには運動するしかない」をご参照ください。

books.rakuten.co.jp

では、みなさんお体に気を付けて、、、

Reference

Physical activity, cognition and academic performance: an analysis of mediating and confounding relationships in primary school children