Evidenceの学校

根拠(エビデンス)に基づく教育(Evidence-based Education)の発展を目指して!

*教育に科学的根拠はいらないという方は読まないでください*なぜ科学的思考が教育にも必要なのか。

科学的根拠とは言われているけど…よく分からない…

 

なぜ科学的根拠?流行りだから?

 

など、正直分からないという方は多いと思います。

 

決して恥ずかしいことだとは思わないでください。

 

ただ、これからの時代、

知識を探し、分析、統合して新しい状況に適応する能力

が子供たちにも求められることが研究で分かっています。

(より詳しく知りたい方は前回の記事をご参照ください)

 

academykun.hatenadiary.com

 

そのため、やはり教員にも正しい情報はなにかを取捨選択する能力がなければ子供たちに教えることはできないと思います。

 

また、新しい授業実践などに関しても、全く何も根拠がないものよりも

「海外ではこのような実践を行いこのような効果が報告されています。そのため、私たちも取り入れて見ようと考えました。」

「今回このようなものを作成したのは~がこのような研究を報告しているからです。」

 

と言われた場合の方が納得してもらえる確率が上がります。

 

確かに、海外の研究では日本人とは人種が違う、学校の環境なども違うと厳密にいえば再現されるかは分かりません。

 

しかし、全く効果が出るかわからないものよりも少なくとも効果が出る可能性があるものを試したほうが時間も労力も節約できます。

 

また、これまでやられてきた教育が成功であったら、このような社会になっているのでしょうか?(確かに優秀な人はたくさんいますが)

 

言われたことを忠実にこなす人材を作るのが教育なのでしょうか?

 

私は違うと思います。

 

そのためにも、やはり教育は経験論で行っていく時代を終える必要があると考えています。

 

そこで重要になってくるのがやはり客観的な根拠(科学的根拠)です。

 

もちろんその根拠は科学によりますが、科学も完ぺきではありません。

 

確実に一定の不確立性は残りますし、時代により覆されることは大いにあります。

 

しかし、医療はエビデンスを基に行われています。不確実は確かに残るけれども、治るか治らないか全く分からない医療をあなたは受けたいと思いますか?そのような方法に命を預けられますか?

 

教育も同様に子供たちの一生を左右する可能性がある仕事だと思います(だからこそ誇れる仕事だと思っています。)

 

仮に、自分の子供の一生を左右するかもしれないものを経験で…とはいかないと思いませんか?

 

それだけでなく、科学的根拠を示すための科学的手法を知ることで、批判的思考、そして経験論が全ての人に当てはまらないことが分かるのです

 

オックスフォード大学の元進化動物学者、リチャード・ドーキンス先生も研究手法の一つ「二重盲検対照実験」を教育で教えるべきだと述べています。

f:id:academykun:20200429143852p:plain

(出典:Wikipedia)主な著書に利己的な遺伝子など(私が尊敬する研究者の一人です)

 

ドーキンス先生は「二重盲検対照実験」を学ぶことで以下のようなことが身につくと述べています。

1.個人的な逸話が全てに当てはまるとは考えなくなる

2.どれほど大きな出来事も、何の理由もなく偶然だけで起こりうると理解できるようになる。偶然に何かが起きる確率がどの程度かを自分で推測できるようになる。

3.主観的偏見を排除することがいかに困難かが理解できる。一方で、主観的偏見があるからと言って即、その人が不誠実なわけでも、私欲にかられているわけでもないとわかる。さらに発展させて、権威を疑う姿勢を養い、他人の意見を尊重する姿勢が身につく。

4.ニセ医療に騙されなくなる。

5.批判的、懐疑的にものを考える習慣が身につく。

 

私は現在医学部に所属し研究を行っていますが、ドーキンス先生の意見に賛成をしています。

 

やはり現在のやり方を疑うこと、そして新たな仮説を立てて検証し、その効果を具体的にしること。教育もこの繰り返しだと思います。

 

実際に「二重盲検対照実験」とはなにか…というところまでは今回は踏み込みません(是非知りたい!という方はコメントやTwitterでお知らせください)が、やはり教育にも科学的な思考が求められています。

 

でもなんか難しそうで…今から学ぶのか…とお思いの方はそれを知る人に頼ればよいのです!

 

実際、現代は多くのものが急速に発展しており、すべてを知ろうとすることは不可能でしょう。

 

それならば、それを分かっていて信頼がおける人と協力をすることが一番の近道です。

 

科学的な手法などについて私は可能な限りお答えします。もちろん他の方法で調べることも可能です。

 

そして私は、もともと教育学部にいましたから、今の現状を変えるお手伝いをしたいと考えています。

 

ぜひ私にも皆さんのお力を貸していただけると幸いです。

 

今回は初めて科学的な根拠を示すものではありませんが熱意そして、科学がなぜ今求められているか知っていただけたらと思います。

 

また、ぜひ読者登録やTwitterにてRetweetなど拡散していただけると嬉しいです。

1人でも多くの仲間と私たちで教育を変えていきましょう。

 

いつの日か、先生も子供たちも批判的なディスカッションが学校でされる日を目指して…

 

ではまた…

 

参考文献とオススメ本

科学者の思考が非常によく分かる良書です。

 

純粋に面白い!ドーキンス先生の著書です。

 

やはり科学は統計学とは切っても切れない関係です。

とても分かりやすく書いてありますので入門にはうってつけ。

 

これは必読!子供たちも読めるようになったら是非読むべき本です!

 

 

 

正しい目標設定の方法。子供たちが生涯目標を達成することができるようにするために。

あなたの目標設定の傾向は?

 

あなたは知性は努力すれば変えられると思いますか?

 

なんとなく見覚えがある気がするという方もいるのではないでしょうか?

 

そう!マインドセットについてお話しした時と同じことです!

 

これからの話も分かりやすくなると思うので過去の記事もご参考にしてみてください。

 

 

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まずは、自分が決定論者(硬直マインドセット)なのか成長論者(成長マインドセット)なのかを知る必要があります。

 

この著書(やってのける)では、

  1. 人間の知能の程度には個人差があり、大きくは変えられない。

  2. いくら努力しても、知能はていして高められない。

  3. 頭の良さは、生まれつき決まっている。

これらの質問に「全くそうは思わない」場合は1を、「その通りだと思う」を6、それ以外では思う程度の中間の数字を選んでください。

 

それらを合計し、10点以上では「決定論者」、10点未満では「成長論者」となります。

 

みなさんはどちらでしたか?よかったらコメント欄でお知らせください。

 

決定論者、成長論者の違いについては過去の記事を参考にしていただきたいのですが、簡単にまとめると、決定論者は知能は変えられないと考えているため、自分の得意なものばかり勉強するなどの傾向がみられますが、成長論者は努力によって知能は伸ばせると考えています。そのため、一般に成績が低下する小学校から中学校に移行する際に成長論者は成績が低下せず向上したことが報告されています。

 

つまり、マインドセットによって知能は伸ばせるにもかかわらず、決定論者は後天的には変わらないと決めつけてしまっているんですね…

 

決定論者だった…という方もご安心を。最後にリンクを出しておきますが、マインドセットの本に決定論者のマインドセットを変える方法がありますのでぜひご参考に。

 

無知の力・引き金

 

目標達成に影響を与えるものはマインドセットだけではありません。

 

もう一つは「環境」です。

 

私たちは繰り返し行うことは無意識で行うことが可能です。

 

例えば、歯磨きやお箸を使うこと、おそらくこの記事を見るために使ているパソコンやスマートフォンも無意識に使えることでしょう。(無意識に使っているのでわかりにくいでしょうが)

 

また、私たちは気が付かずに身の回りのものや言葉の影響を受けています。

 

実際に、「勝利」「努力」「習得」「達成」などの単語を見た群は、あるパズル行ってもらい、やめるよう指示されても、それらの単語を見なかった群よりも、そのままパズルを続けた割合が約2.5倍になっていました。

 

このことから、私たちは同じように目標を目指している他者の存在も引き金となるようで、心理学では「目標伝染」と呼ぶそうです。

 

つまり、「目標達成を目指す他者の姿を目にすることで、自らも同じ目標を求めるようになると述べています。

 

このことから、まずは自分が目標達成に向かうようになる引き金は何かを知ることが重要であると示唆されますね。

 

そして、その引き金を見つけたら、できるだけ自分の身の回りに配置することで、無意識に自分の好ましい行動をとれるよう仕向けることが大切です。

 

やはり、子供たちに正しい目標設定を行わせ、年間を通してそれを達成するよう向かわせる集団を形作れれば、よりよいクラスになることが示唆されますね。

 

また、学齢期に正しい目標設定の仕方を学び、実践することができれば、生涯にわたり良い影響があることが示唆されると思います。そのようなことを教えるのも私は教育だと思っています。

 

次回ではより自分について知ってく。自分はどんな人間なのかについて考えていきましょう。では…

 

参考文献

 

すべての教員が知っておくべきこと。あなたは子供たちに求められる7つの能力とそれを伸ばす11の力すべて答えられますか?

21世紀に求められる能力とは

 

近年、通信技術の発達が著しくまさに情報化社会と言われています。

 

実施に、2010年では1年間で1,266,334本もの論文が発表されていることが公表されています。

 

現在ではもっと多くの論文が発表されているでしょう。

 

それだけの多くの知識があふれているこの時代に求められる能力とはなんでしょうか?

 

それについてLinda Darling-Hammond先生たちは調べてくれています。

 

また、前回の記事にてより詳細に説明していますのでぜひ

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では本題に… 

Linda先生らは、21世紀に求められる能力は次のものだと示しています。

 

1.批判的思考力

 

2.問題解決能力

 

3.知識を探し、分析、統合して新しい状況に適応する能力

 

4.他人と協力し、異なる文化にうまく適応していく対人能力

 

5.自分の仕事や複雑なプロジェクトを管理する自己ら方向性を決める能力

 

6.方法を見つけてそれを活用する能力

 

7.多くの方法を使って、効果的にコミュニケーションをとる能力

 

これらの能力を伸ばすために求められるスキル

 

Nationla Research Council のReviewではこのように述べられています。

これらのスキルを身に着ける学習は、

質問や調べる、

新しい状況や問題に知識を適用する、

イデアや解決策を考える

共同して問題を解決する

などを通して最も発達する。

 

ただ、これらの作業は以下の力が必要になるとStafford-Brizard先生は述べています。

 

1.強力な自己制御

 

2.実行機能

 

3.メタ認知

 

4.困難な状況に対処する能力

 

5.忍耐力

 

6.レジリエンス

 

7.個人で学習する能力

 

8.好奇心

 

9.発想力

 

10.創造性

 

これらは全部大切そうですが…これを聞いてしますとなかなか難しそうに感じますね…。

 

ただ、この時代にどのような能力を求められ、そのためには、どのようおな力をつけてあげればよいのかを知ることで、教育する際に役立つと思います。

 

私たちには何ができるのか?

 

多くの研究から、求められている能力をつけるために学校が行うことが分かってきており、生徒の学習と発達にあわせた環境、体制、実践が必要です。

 

まずは環境の支援から

 

1.学生をよく理解し、価値が認められ、身体的、精神的に安全に学ぶことができる思いやりのある学習コミュニティ

 

2.関係が継続的で、行うことが一貫しており、日々行うことが予測可能(いつ何をするかがはっきりしているということ)である体制にすることにより、不安を軽減し、積極的な学習を支援する

 

3.教員、生徒、保護者の間の関係に信頼と尊重がある。

 

このことから、やはり子供たち一人ひとりを理解することが重要であり、失敗しても大丈夫と思えるような安全地帯になることが求められていますね。

 

また、この時には何をする。この時にはこう動く。と子供たちが分かることで、余計な不安などが生まれずに学習に集中できるということでしょう。

 

確かに、指示があいまいですと子供たちは思ったように動いてくれませんし、困惑している様子が見ていてわかりますからね…。

 

最後に、やはり教師と子供だけでなく保護者との関係を大切ということが示されていますから、教育は教師だけでなく保護者や地域社会で育んでいくものということが改めて分かりますね。

 

ここからは家庭の問題でしょ…という気持ちはよく分かるのですが、やはり私たちは明確にここは学校、ここは家庭と言い切れる線はないと思います。

 

だからといってすべてのことをやれ!と言っているわけではありませんが、ネット通販サイトのAmazonのCEO、ジェフ・ベゾスが掲げているように「顧客第一主義」が教員にも求められていると思います。(教員にとっての顧客は誰かは言わなくてお分かりですよね?)

 

 

では教育の戦略としてはどのようなことができるのでしょうか?

それは以下の5つがあげられています。

 

1.生徒の知識と経験に基づいて、概念的な理解と知識、スキルを得ることに役立つ、魅力的で積極的に取り組むことのできる勉強

 

2.明確な指示と学習を実践し適用する機会を織り交ぜて行う学習戦略

 

3.生徒が質問したり、自分の考えを詳しく説明したりり、解決策を協力して作ることを促進するよく考えられた共同学習の機会を設ける。

 

4.すぐに役立つフィードバックを受け取り、能力の発達、発揮し、よりよくするために、取り組みを修正する機会を設ける。

 

5.複雑なタスクの計画と管理、自己評価や相互評価、学習への影響を通じてメタ認知スキルを発達させる機会を設ける。

 

ここもなかなか難しい…

 

単元の初めの取り組みとして生徒が経験している身近な例や、すでに学んだこととどのように結びつくかを説明することはやはり大切ということでしょう。

 

また、仲間と協力して問題解決をすること機会も大切とありますが、最初から仲間と集まって問題解決の方法を考えてもあまり意味はありません。

 

なぜかというと、誰かがやってくれるだろうとさぼる人が必ず出てきたり、発言力の強い人が言ったことが全て通ってしまうなどの問題があるからです。

 

そのため、あらかじめこのことについて議論するから考えてくるようにとまずは一人で考えさせ、その後一人一人のアイディアをまとめて最適解を導くほうが有効であることが心理学の実験で分かっています

 

また、人数も大切で、さきほど紹介したAmazonジェフ・ベゾスは会議をする際には「ピザ2枚ルール」というものを活用しています。

 

このルールはシンプルで、会議を行う際にはピザ2枚を分け与えることができるだる人数しか参加しないということです。

 

人数が多すぎると先ほど紹介したように考えない人や関係ない人も含まれるため時間の無駄にもなりますし。

 

つまり、子供たちをグループにする時にも多すぎてはいけません。(おそらく4人グループなどが多いと思いますので大丈夫だと思いますが知っておくとためになると思います。)

 

もちろん皆さんは会議などそのように行っていますよね?

 

すいません。まだ続きがあるのですがなかなか内容が濃いため今回はここまでで。

 

今回改めて日々行っていることの大切さや、根拠をもってこのようにすればよいということが学べたと思います。(正直、そこらへんのセミナーなどではなかなか聞けないと思いますが…)

 

なかでも子供たちに的確な指示を与えることや、明確なルールを作っておくというのは難しい…と一度は誰も感じたことがあると思いますので最後にReferenceと共にオススメの本も紹介しておきます。

 

また、今回紹介した多くの力を育てるヒントになる本も紹介しておきます。比較的時間のある今、参考にぜひ。

 

少しでも役に立ったと思ったらRetweetやブックマークお願いします。

 

この論文はまだまだ続きますので引き続きよろしくお願いします。

 

では…

 

Reference
api.semanticscholar.org

 

www.businessinsider.com

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして子供たちもやる気を出す。科学的に正しい目標設定の方法。

 皆さんはどのように目標を決めていますか?

 

なんとなくこれができるとかっこいいから?

 

みんなこれやってるしそろそろ自分もやろうかな…と考えているから?

 

それではうまくいきません。それはなぜか。そしてどうすれば目標を達成できるのか、ハイディ・グラント・ハルバ―ソン先生の「やってのける」をもとに学んでいきましょう。

 

前回の続きになりますので、過去の記事を読んでいない方はこちらを… 

academykun.hatenadiary.com

 

 

目的地は定まっているか?

 

どうするれば目標と達成できるのか、最初は目的地を設定することとハルバ―ソン先生は言っています。

 

いやそんな当たり前だろ…

 

とお思いになったと思いますが、重要なのは目標をどう設定するかのです。

 

どうやって目標を設定するのか?

 

では、どのように目標を設定するのか。

 

この本では「ベストを尽くせ」と言われても、これでは明確な目標が定められていなため、ベストからほど遠い結果しか生み出してはくれないと述べられています。

 

一方、「具体的で難易度が高い目標」は高いパフォーマンスを生み出すことが分かっています。

 

具体的」な目標は、何か求められているかが正確にわかるため、ごまかすことやこれで十分という言い訳が出来なくなります。

 

また、「難易度が高い」ということは、「難しいが可能」といレベルの課題を指してます。みなさんにはおなじみのミハイ・チクセントミハイもフロー状態になるには決して難しすぎず、やさしすぎない課題が適当であることを述べています。

 

また、ハルバ―ソン先生はこう述べています。

難しい目標の達成は大きな充実感、満足感をもたらし、その満足感がさらなる向上につながる。

 

このことから、子供たちにここからここまでの問題を何分までに解いてみようという指示は(問題の質、数、時間により異なりますがそこは先生方や保護者の腕の見せ所です)、子供たちの学習を高めている可能性は大いにありそうですね。

 

まとめると、ごまかさずに物事に取り組み、達成感によりさらなる向上に結び付く「具体的で難易度の高い目標」を考えることが大切です。

 

やる気を出す方法

この本では、「なぜ?」と考えることで小さな行動に大きないいや目的を結び付けられ、意欲を高められることが述べられています。

 

私は学生の頃よく「対数とか習ってもどこで使うんだよ…(数学は全く嫌いじゃありませんが)」と思っていました。

 

しかし、後に、高校の先生が「対数は地震の規模を示すマグニチュードに使われている。マグニチュードが1変わると約32倍エネルギーが違うことになる。」と知り、意味ないことはないと学びました。

 

つまり、「なぜ」を考えること、「なぜ」をでやる気を刺激することが可能なのです。

 

もうお分かりですよね?子供たちに勉強をやってほしい時には,

 「~の問題を解きなさい。」や「~を暗記しなさい」ではなく、

 「この勉強は~に役に立っているんだよ。これを知ることでこんなことができるんだよ。だから一緒に学んでみよう。」と子供たちに声をかけることが重要になってくるんですね。

 

難しいことに取り組む方法は?

 

難しいことに取り組みたい、取り組んでほしい時には「なぜ」ではなく「なに」を考えることが効果的です。

 

「なに」を考えることで具体的な行動に意識が集まるためと述べられています。

 

また、最も効果的なのは物事を細分化することです。

 

例えば、「掛け算の問題を解く」とした場合、

  1. まずは椅子に座る。
  2. ランドセルから教科書をつかむ
  3. 教科書を机に置く
  4. ランドセルからノートをつかむ
  5. ノートを机の上に置く
  6. 筆箱を手に取る
  7. 筆箱を机に置く
  8. 筆箱をあける
  9. 筆箱から鉛筆を取り出す…

このように細分化(紙に書いておきできたものを消していくと達成感がより生まれる)していくことで、取り組みやすくなります。

 

つまり、「なに」を考えることで行動を考えるため物事に取り組みやすくなり、先延ばしもしにくくなるということです。

 

効果的に目標達成することが可能な長短比較

 

私たちは目標だけ考える(つまり、理想の自分を考える)とそれだけで気分がよくなります。

 

しかし、それでは決して行動しません。

 

それをふせぐために、長短比較という方法が有効だと心理学者のガブリエル・エッティンゲンは述べています。

 

長短比較とはこう述べられています。

まず達成によって得られるものを想像し、次に進路を阻む障害物を熟考する」という思考である。

 

こうすることで、達成を阻む障壁の対応策を考えることができるだけでなく、その目標が達成可能かどうか考えることができるようになります。

 

目標達成が難しいと考えた場合は目標を修正すればいいのです。落ち込む必要はありません。

 

このように、どのように目標を設定すればよいのか、どうすれば難しいことに挑戦できるのかお分かりになったと思います。

 

次は、なぜその目標を目指したのか。自分について知っていきましょう。

 

前回に続いて参考の本とオススメ本(これらは私の人生を大きく変えてくれました)を示しておきます。

 

これからもエビデンスを基にした情報を提供していきますので

よかったらブックマークやRetweet、いいねお願いします。

 

では…

 

 

 

 

 

 

 

2020年発表。私たちは子供にどのような支援ができるのか。

人間の発達と学習に関する知識が急速に増えており、効果的な教育実践を行う機会が増えています。

 

しかし、生物学、神経科学、心理学、社会学、発達化学、学習化科学など複数の分野で人間の発達と学習に関する研究が行われているため、これらの知見を結びつける必要があります。

 

そこで、Linda Darling-Hammond先生らは学習と発達についての論文を集めReviewしてくれています。

 

この論文では、多くの論文をもとに、子供の健康、発達、学習を促進するために必要な関係性や学習機会をサポートする方法について考察しています。

 

さらに、教育者が生徒一人ひとりに対応し、逆境に対処し、レジリエンスをサポートするために役立つ実践研究に関する研究もReviweしてくれています。

 

個人的な理由で申し訳ないのですが、このReviwは45ページと非常に長いため、みなさまも理解しやすさも考え、細かく分けて紹介していきます。

 

知っておきたいこと

 

FischerやRoseらは、子供の発達と学習がどのように形成されるかは、学校内外で経験する環境要因、人間関係、学習機会の相互作用、そして、身体的、心理的、認知的、社会的、感情的なプロセスに影響をあたえるものにより明らかになると考えています。

 

なにやら難しくてよくわからない…という方は安心してください。

 

本来なら科学なのでこんなことはいけないのですが…ざっくり言いますと

 

子供たちの発達とか学習は、学校内外でどんな教育受けてるか、どんな人間関係かだけでなく、体のこととか心の問題とこいろいろなものも影響してるよね。っということです。

 

さらに研究者たちは

 

「子供たちの発達にはいろいろな要因があるにも関わらず、実際の社会や学校はこの要因を別々のものとして考えていますよね?しかし、学習と発達の科学はそのような多くの要因がどれだけ密接に関連しており、結果(ここでいうと学力や学習、発達などですかね)に多くの要因がどのように影響を与えるかを明らかにします。」

 

と述べています。

 

つまり、学習や発達についてどんな要因が影響しているのか科学で分かるよ!という感じですね。

 

また、学習と発達の科学により重要な知見があります。

 

それは、脳と知能や能力の発達には順応性があることです。

 

Cantorらはこう述べています。

脳の発達は経験に依存するプロセスである。

 

これは「新しいことを学んだり、行うことで、新しい思考や行動に関する神経経路が活性化するということ。」

 

つまり、いろいろなことを学んだり行うことで、脳は新しい思考や行動ができるようになっていくよということを示唆しています。

 

また、脳や人間の能力は、さまざまな出来事やそれをどのように感じたのかなどによって発達していくこともわかってきています。

 

例えば、感情が学習のきっかけになることや阻害することがあります

 

つまり、感情や社会的な状況が学習に影響することが分かってきており、そのような要因がどのように影響するかを知ることで、より良い学習環境を作るヒントになるよね?ということです。

 

やはり教員はこのような要因を知り、学習環境をマネジメントする必要がありますね。

 

また、発達には子供の家族や、教室の状況など多くの側面の相互作用により変化します。

 

そのため、子供たちの能力、自身、モチベーションを伸ばす指導や支援は、子供一人ひとりに適したものがあります。

 

つまり、子供たちの能力を最大限に引き出す方法はみんな違うよということですね。

 

教育者の皆さんは、学校や教室で子供たちの社会的、感情的、認知的な発達だけでなく、健康な発達や、学習のために必要に応じて支援する体制や子供たちとの関係を作っている、作ることを目指していると思います。

 

しかし、子供たちをより効率的に支援するためには、学校だけでなく、子供たちの家族や地域社会との関係性が必要不可欠になります。

 

そこで、この論文では、様々な調査から、

1.学校や教室でどんなことをすると、子供たちの発達を支援する環境が作れるの?

 

2.先生たちは、どのよういに子供たちが継続的に知識をスキルを習得することを支援できるの?

 

3.これらの知見を考慮して、教育システムをどのように変更したらよいの?

 

ということを考えてくれています。

 

また、この研究は主に幼稚園から高校までの学校に焦点を当てており、幅広く適用できます(幼児期にも適応できます)。

 

この論文では、学習と発達に関する多くの分野の研究をまとめてくれていますし、最終的には教育環境にどういかせるかまで考えてくれているものとなっています。

 

今回は、なぜこの論文を書いたのか、そして、なぜ教員がこのようなエビデンスを知る必要があるのかお分かりいただけたと思います。

 

これを気に、皆さんがエビデンスについて深く学ぶことができればと考えております。

 

また、皆さんが求めているものはまだ出てきていないと思いますが、あまりにもページ数が多いことと、表現が難しいので精一杯分かりやすくしておりますのでご容赦ください。

 

次回から、上記の3つの疑問についてまとめていきますので、よろしければブックマークをしていただければ更新した際に通知されますのでぜひ。

 

また、Twitterなどで拡散していただけると幸いです。

 

今回は少しわかりにくかったかもしれませんが、次回はよりよく…

 

最後にReferenceとオススメ本を…では…

Reference

api.semanticscholar.org

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に1回の授業でいい授業と判断できますか?

授業を1回見ただけで良い授業と判断できますか?

 

子供を怒った後は、成績が上がりますか?

 

クラスの平均点が全国値よりも高ければ本当にそのクラスの成績は良いですか?

 

これらの質問にあなたはどう答えるだろう。

 

この質問の答えは「正しくもあり間違ってもいる。」

 

え?なぜ?と思う方もいるだろう。

 

これは統計などを行っている人なら知っている「平均への回帰」として知られている現象です。

 

では、子供を怒った後は、成績が上がるかを例に見ていきましょう。

 

保護者の方などは経験があるかもしれませんが、子供がテストでひどい点数を取ってきたときには怒るかもしれない。

 

後日、子供は前回よりも良い点を取って帰ってきました(現実ではなかなかないが同じテストを行った場合。わかりやすい例は100マス計算などでしょうか…)。

 

これで私たちはすぐに

「怒ったおかげ子供の成績があがった…」

と考えがちです。

 

それは本当でしょうか?

 

前回のテストでは偶然テストの成績がよくなかったかもしれません。

 

そのため、怒らなくても2回目のテストは成績が必然的に上がる可能性があるわけです。

 

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書「ファスト&スロー」にはこんな例がある。ぜひ同僚などとやってみてください。

 

 床に印をつけて(実際には何か目印になるものがあればよい)、標的に背を向けて立ち、結果を見ずにコインを二回続けて投げる。そして標的から距離を測定し、確認の結果を表にして黒板に書きだす。

その後に、一投目の成績がよかった順に並べ替えてみると、一投目の成績がよかった人の大半が二投目は悪くなり、一投目に悪かった人たちの大半が二投目にはよくなっていることがわかるだろう。

 

この実験は私もやりましたが非常に面白いです。また、2回と言わずに試行回数を増やすことでよりわかりやすくなります。

 

このことからダニエル・カーネマン

不出来だったあとはよくなるし、上出来だったあとはますますよくなるのであって、これは誉め言葉や叱責とは関係がないのだ

と述べています。

 

ただ、だからといっても子供たちを賞賛しても意味がないと言っているわけではありません。

 

私は、このことを踏まえて実際に自身が行っていた評価について改めて考えてみてほしいのです。

 

クラスの平均点が全国値よりも高ければ本当にそのクラスの成績は良いですか?

 

と、いう例では、まず前回ご紹介した時間の問題という可能性もあります。参照していない方はぜひこちらを。

 

academykun.hatenadiary.com

 

一方、平均への回帰を考慮すると、今回全国値よりも高かったのは偶然なのではないかと考えることもできます。

 

つまり、もう一度行った場合、そのクラスの平均点は今のものよりも下がる可能性は否定できないということです。

 

もちろん何度も同じテストを繰り返し、それでも平均点を超えているのでもあればおそらく解釈は間違っていないかもしれません。

 

しかし、平均への回帰について知らないとたった1回の結果で誤った判断をしてしまう可能性があるということです。

 

これでは、子供たちに意味のあるフィードバックがて来ているとは言えませんよね?

 

実際には、全国学力調査では1回のもので判断しなければならないのでこのことを考慮するのは難しいですが…

 

ただ、研究授業などに関してはどうでしょうか?

 

確かに、研究授業の時にはよい授業であったかもしれませんが…

 

この後はわかりますよね?(実際には研究授業だから…と子供たちに声をかけるだけでもバイアスになっています…)

 

確かに、平均への回帰の問題でもないくらい…という授業があることは知っています(何を隠そう私の教育実習ですね)

 

また、良い授業とはなんでしょうか?

 

その時に子供たちが理解していることでしょうか?

 

子供たちが将来何かのきっかけでその授業を思い出し、学び続けることでしょうか?

 

何か斬新な方法を使って授業をしていたこと?

 

子供たちがやることを理解して真面目に取り組んではいたこと?

 

おそらく答えは人それぞれ違いますし、心の答えなどないでしょう。

 

ただこのように考えることで、その時の評価だけが全てなのか?と思っていただければと思います。

 

また、平均への回帰についてはなんとなくわかったけど、じゃあどうすれば…

 

その答えは、対象群を設定することです。

 

実際には、同じ子供を同じタイミングで怒った場合、褒めた場合とすることはできません。

 

しかし、授業ならこれまで通り授業を行った群、新しい方法を取り入れた群と比較することができるでしょう。これはまさに研究と同じなのです。

 

私はこれまで、単元の前にアンケートやテストを行い、授業後アンケートやテストでその成績を比較して効果がありましたというような研究を多く見てきまいた。

 

果たしてそれは本当に効果があったと言えるでしょうか?ここまで読んだみなさんならわかると思います。

 

これからの教育をよくするためにも、現場のみなさんもこのような知識は求められると思います。

 

少しでもご参考になれば…では…。

 

参考とオススメ本

 

 

あなたは運動が学習にどのように効果をもたらすか答えられますか?子供たちの学力を伸ばす最適の運動法とは

あなたは運動が学習にどのように効果をもたらすのか答えられますか?

また、どんな運動が学習によいのか答えられますか?

 

なんとなくは…という方が多いと思いますが、なぜと言われると…や、自信はないかな…と感じると思います。

 

実際に、運動しているほうが成績がよいことは以前紹介させていもらいましたので参考までに。

 

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では、本日は運動がどのように学習に効果を与えるのか、そしてどのような運動が効果的なのか「脳を鍛えるには運動するしかない」を参考に学んでいきましょう。

 

 記憶をする際に脳はどうなっている?

 

少しだけ脳の話をざっくりと説明します。

 

脳には多くの神経細胞が存在しておりこれをニューロンと言います(ご存じだと思いますが)

 

何かを学習するにはこのニューロンの結びつきを強化する必要があります。

 

その方法が反復して学習することです。

 

反復して学習することで、ニューロンニューロンの間をつなぐシナプスが大きくなっていきます。

 

さらに反復してくことで、ニューロンは木のように枝を伸ばしていき、シナプスが増え結合がより強固になっていくことが分かっています。(これをシナプス可逆性と言います)

 

シナプス可逆性を促進するものとは?

 

シナプス可逆性を促進するものがありまして、それがBDNF(脳由来神経栄養因子)というものです。

 

カール・コットマン先生は、マウスを運動させると運動していないマウスに比べてBDNFが増えており、長く走ったマウスほどその量が増えていることを明らかにしました。

 

さらに、2007年に人を対象にドイツで行われた研究では、運動前よりも運動後に20%も早く単語を覚えられ、BDNFと学習効果に相関関係があることが見られたと報告しています。

 

つまり、学習を促進するものにBDNFという物質が関わっていて、どうやら運動することによりいっぱい出てくるようだ…ということです!

 

では運動しているだけでよいの?

 

ということは…そうか!運動すれば記憶力が上がるのか!と簡単に結論付けてはいけません。

 

著者もこう述べています。

BDNFは、情報を取り込み、処理し、結びつけ、記憶し、つながりをもたせるのに必要な道具をシナプスに与える。これは、走りさえすれば天才になれるという意味ではない。

 

実際に、神経学者のフレッド・ゲージは

ただ走るだけでは、ニューロンは対象群と同じペースで死んでしまう。手持ちのニューロンが多くなるだけだ。それ生き残り、回路を作るには、その軸索に信号が流れなければならない。

と、述べています。

 

つまり、運動だけでなく私たちは学習をしなければならないということです(当たり前ですが、当たり前を考えるのはなかなか難しい…)

 

また、BDNFが放出される際にIGF-1(インスリン様成長因子)、VEGF(血管内皮成長因子)、FGF-2(繊維芽細胞成長因子)というホルモンが血液・脳関門(簡単に言いますと、脳に有害なものが入らないようにしているところです。余談ですが、水俣病を引き起こす有機水銀などはここを通過してしまうので神経疾患になってしまいます)を通過して、学習に関する分子メカニズムを活性化すると考えられています。

 

わけわからん言葉が並んでやめてく…と思うかもしれませんが主にIGF-1だけに注目すれば大丈夫です。

 

これはインスリンと協力し、グルコースを細胞まで運ぶ役割を果たすのですが、さらに、運動中にBDNFが脳内にIGF-1の摂取を増やし、IGF-1がニューロンを活性化し、セロトニン(簡単にいうと気持ちを落ち着かせてくれる物質)やグルタミン酸ニューロンの結びつきに関わる物質)を盛んに作らせ、それらが作用することで記憶に関わってきます。

 

なかなか難しいですが今後も少しずつ解説していきますね(成長マインドセットで!)

 

どんな運動をすればよいの?

 

では実際にどんな運動をすればよいのでしょうか?

 

2007年の研究では最大心拍数の60~70%(最大心拍数は約220‐年齢です。)の強度で35分間運動すると、回答速度や創造性が上がったことが報告されています。

 

また、ラットを対象とした研究ですが、有酸素運動だけでなく、平均台などの複雑な運動を行うと小脳のBDNFが35%増えていたことが報告されています。

 

そのため著者らは次のようなやり方をすすめている。

心血管系と脳を同時に酷使するスポーツ(テニスなど)または、10分ほどきつい有酸素運動でウォーミングアップを行いロッククライミングやバランスの訓練といった酸素摂取量が少なく技能を必要とする運動を行うやり方だ。

 

しかし、これを見たみなさんは

「いやいや現場じゃできないよ。特に低学年では無理。そもそもロッククライミングができる学校ないでしょ。」と思ったことだろう。

 

そんな時には、様々な体の動きをするサーキットトレーニンが効果的ではないかと考えています。

 

サーキットトレーニングについては体育を専門とする方々なら深く知っているはずでしょう。

 

この運動では様々な動きを取り入れることが可能であるし、学年により種目を変えることで強度や楽しさも変化させることができる。

 

まさに、教師の腕の見せ所だと思います。

 

また、現在は子供たちが登校しないため、この機会に多くの先生と多くの動きをし、子供たちが楽しめるサーキットトレーニングを考えてみることも面白いと思います。

 

今回は、運動がどのように学習に影響を与えるのか、そしてどんな運動がよいのか解説していきました。

 

参考になったと思いましたぜひ拡散していただければと思います。

 

まだまだ運動の良いところがありますので順次お伝えできれば。では…