Evidenceの学校

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間違った褒め方は、成績だけでなくやる気も低下し、嘘をつくようになる

前回から続いて今回は褒め方についてですね。
ちなみに気が付いてないだけで実習中などは私もやってしまったていた気がします…
間違ったほめ方をすると成績だけでなくやる気も低下し、嘘をつくようになることがわかってます。著者のキャロル・S・ドゥエック先生の調査によると8割以上の親が、子供の自信をつけさせて成績を伸ばすには、間違った褒め方をする必要があると答えているそうです(日本でも同様の結果がみられるかはわかりませんが…)

その褒め方は、子供の能力をほめるです。
実際に、思春期初期の子供たち数百人を対象に難しい非言語式知能検査(おそらくIQテストのようなもの)を行わせ、「よくできわ。頭がいいのね」など能力を褒めた群(能力群)と、「よくできたわ。頑張ったのね」と才能があると思わせないように褒めた群(言語が違うのでなかなか難しいですが…)(努力群)に分けました。もちろん、各郡での成績は同等です。

違いは褒めた後にみられました。能力群では、次に取り組む問題を選ばせると、新しい問題に挑戦しませんでした。一方、努力群では9割が新しい問題に挑戦することを選びました。さらに、問題が解けた場合はどちらの群も楽しいと回答しましたが、能力群は難問を出されると楽しくないと答え、努力群はむしろ難しい問題の方が面白いと回答する子供が多くなっていました。
 問題の出来はどうだったのでしょう?
能力群では生徒の出来は落ち、やさしい問題が出されても成績は回復しませんでした。一方、努力群の成績は徐々に良くなっていました。

 この研究はこれだけではありません。「他の学校の生徒にどんな問題が出たかを教えてくあげてください」と書いた紙を配りました。その紙には自分の得点を書き込む欄を作っていました。その結果、能力群では約4割が得点を高めに偽っていました。

 このことから、能力をほめてしまうとやる気、成績が落ち、嘘をつく割合が高うなることが示唆されます。しかし、努力を誉めることで生徒のやる気を維持し、成績も上がる可能性が考えられます。

 子供たちだけでなく大人もそうですがやはり結果がを問われることが多いと思います(私もなかなか研究でよい結果が出ずに罵倒されたこともありました…実習中は指導案についてではなく人格をよく否定されたものです…)。やはり意識してその過程を誉めることが大切ですね。また、結果が出ないときはその過程を振り返り、改善していくことが重要だと思います。

次回は成功した際や失敗した際の声掛けなどについて紹介したいと思います。
少しでもお役に立てれば…では

 

 

マインドセット「やればできる! 」の研究

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