Evidenceの学校

根拠(エビデンス)に基づく教育(Evidence-based Education)の発展を目指して!

約147万人を分析して分かったうつの撃退方法とは!?

COVID-19による緊急事態宣言の影響で多くの方が外出自粛に伴い家で過ごしているところと思います。
教育にエビデンスをと思っていましたが、今は多くの方がいつになればこの影響が終息するのか。会社はどうなってしまうのか。報道をみるたびに不安が煽られる。とお悩みのところと思います。
そのため、今回は抑うつぎみの気分を変える方法をご紹介いたします。

今回は、2019年にDepress Anxietyという、うつ病や不安を専門とした雑誌に掲載された論文についてご紹介いたします。

それは有酸素運動と筋力トレーニンです。

この研究は18歳以上の1,477,981人を対象にアメリカで行われた研究です。
ここでは筋力トレーニング(ウエイトマシンを使ったものだけでなく、ヨガや腕立て伏せ、ゴムバンドを使った運動なども筋力トレーニングとなってます)と身体活動量(ジョギングやガーデニングなど)を組み合わせてうつ病との関連を調査してくれています。
その結果、身体活動も筋力トレーニングもしない人と比べて、
身体活動量をしないの人々であっても筋力トレーニングを週に3回以上行う人々はうつ病の割合が有意に低くなっていました。
また、身体活動が多く、筋力トレーニングを3回以上行う人は、うつ病の割合が約50%低下していました。

この関係は、性別や年齢、年収などの要因を考慮しても変わりませんでした。

身体活動を多くしたほうがうつ病にはいいよとはこれまで多くの報告があったのですが、筋力トレーニングも組み合わせた疫学研究というのはなかったのでなかなか興味深いですね。
しかし、あくまでも横断研究ですので因果関係はわかりません。うつ病の治療薬を飲んで、メンタルが安定しているときに筋力トレーニングを行っている可能性などもありますので…
また、あくまでも日本人にこの結果がそのまま当てはまるはもちろんわかりませんし、この研究ではうつ病の診断をされたことがあると自己申告で判断していますので、うつ病の重症度もわかりませんうつ病の重症度で分けて17,839人を分析した研究においても、筋力トレーニングまたは有酸素運動のみを行っている者よりもどちらも行っている者の方がうつ病の割合が少ないことも報告されています。)身体活動量や筋力トレーニングも社会的に見て望ましいことなのでやっていないけどやっていると回答した可能性なども否定はできません…

今は活動自粛などでなかなか外出することが難しくなっていますが、少し散歩をしたり、家で少しだけ腕立て伏せをやってみるなど日々の活動を増やして、うつや不安に対処してみてはいかがでしょうか。
便利な世の中となり、Youtubeなどで自宅でできる運動などの動画がありますので、少しずつでも運動を取り入れ、みんなでこの状況を乗り越えていきましょう。

では…

 

Referene

Joint and dose-dependent associations between aerobic and muscle-strengthening activity with depression: A cross-sectional study of 1.48 million ad... - PubMed - NCBI

Associations between aerobic and muscle-strengthening exercise with depressive symptom severity among 17,839 U.S. adults. - PubMed - NCBI

 

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