Evidenceの学校

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正しい知識を知ることが、子供たちを守ることに繋がります。COVID-19につての最新研究をご紹介。

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COVID-19についての最新研究。今回は、医学のトップジャーナルである The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINEに掲載された論文にてご紹介いたします。
学校閉鎖などを行っていますが、実際にCOVID-19は子供たちは重症化しやすいのでしょうか。


COVID-19について分かってきたこと

新型コロナウイルス(COVID-19)は、2020年4月4日の時点で208ヶ国で合計1,051,635人がCOVID-19に感染し、75,000人以上亡くなったと言われています。

中国では、新規症例数は劇的に減少しており、イタリア、スペイン、フランス、アメリカであCOVID-19に関連する死者の総数は中国を上回っていると言われています。

2020年3月11日(奇しくも東日本大震災と同じ日に)、WHOはCOVID-19がパンデミックであると発表しました。

これにより、世界各地で、隔離や検疫、国境の封鎖など前例のない対策を行っています。

現在もCOVID-19について多くの研究が報告されていますが、女性や子供ではCOVID-19の影響が過小評価されていることが示されているみたいですね。これは、女性や子供がCOVID-19に感染する可能性が低いためなのか、症候性になる可能性が低いためなのかまだ分かっていないのが現状のようです。

そこで、研究者たちはアイスランド人を対象に、感染症のリスクが高い人を対象として検査と、全人口を対象とした検査を行い、ウイルスを抑制するために実施した対策が成功したものか調査したみたいですね。

 

この研究の対象者

この研究では、咳、発熱、体の痛みや息切れの症状がある人や、保健当局によって高リスクであると分類されたく国や地域からアイスランドに戻ってきた人、感染者と接触している人が感染リスクの高い人と定義されています(9,199名)。

 

無症状である者、この時期にアイスランドで流行している一般的な風邪の症状が軽度であるアイスランドのすべての人々を対象として、調査の登録をお願いし、スクリーニングも行っております(人口スクリーニング)。サンプルの回収は首都レイキャビク(是非この機会に調べてみてはいかがでしょうか?オーロラも見れるとか…)で行われたため、参加者の大多数は首都圏に在住の人であったようです(人数は10,797名)。

また、この研究の面白いところでもありますが、さきほどのサンプリング方法を評価するために、20~70歳のアイスランド人をランダムに選択し、研究の参加をお願いしており、2797名から同意を得ています(後に、この必要性が出てきます)。

 

最新研究で分かってきたこと

ではこの調査の結果何が分かってきたかといいますと

アイスランドでは人口スクリーニングで陽性と判定された人の割合は20日間にわたって安定していました(0.8%)。これは人口スクリーニングの対象者でもランダムサンプリングでの対象者でも大きな違いがみられなかったみたいです。

 

これは、アイルランドの医療当局による封じ込めの取り組みと、機敏な対応が要因である可能性があると言っておりまして、自己隔離、検疫、その他の社会的隔離措置も、感染率の増加を防ぐのに役立つ可能性があると研究者たちは述べています。

 

ただ、人口スクリーニングを行うために集めた人々では、呼吸器症状がある人が半数近くたようです。これはこの研究方法の弱点でもありまして、感染しているかしていないか調査してくれると言われて集まる人は感染を心配している可能性が高い人ということが考えられるからです。そのため、この研究では対象者をランダムに選定した群を作り、比較したんですね。ランダムに選定していますので、人口スクリーニングの集団にバイアスがあるものか確認したものと考えられます。

 

しかし、興味深いことに、陽性を示した参加者の43%は症状がないと報告していたみたいです。やはり、症状がなくても感染している可能性があるので自分だけでなく他の人々を守るためにも出歩くのは控えたほうが良いのでは…

 

この研究においても、幼児(10歳未満)、女性は、青年または成人、男性よりも発生率が低いと報告されています。

 

この要因としては、ウイルスへの曝露が少ないためか、生物学的に耐性があるものかは未だにわかりません。しかし、他の件きゅにも、子供と女性は成人や男性よりも重症の可能性が引くことが報告されていますので結果が一致しているようです。

 

最後に研究者たちはこのように述べています。

このウイルスは検査と隔離、接触者の追跡、隔離を継続しない限り、封じ込めるのを失敗する可能性が高いほど広がっている。

 

今現在も、患者だけでなく医療関係者など多くの人たちがこのウイルスと闘っています。確かに、国の対応のまずさなど多くの問題がありますが、私たちが本当に戦うべき相手はコロナウイルスです。

 

彼を知り己を知れば百戦殆からず

孔子も言うように、まずは相手(コロナウイルス)について正しく知ることが大切だと思います。そして、自分に今できることを続けていく。それが、自分だけでなく大切な人を守ることにつながると思います。

 

最後にこれからもエビデンスを届けいてまいりますので、よろしければ読者登録もお願い致します。(論文にはここでは紹介しきれていない結果も含まれていますし、私の解釈が間違っていることやこの結果がいづれ覆されることはもちろんありますので、不確実性を考慮すること、そして可能であればご自身で原著論文を確認することをオススメ致します。)また、Twitterにて最新記事のご連絡を致しますのでフォローの方もぜひ

 

皆様もお体にくれぐれも気を付けて。では…

Reference

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov